カフカ『巣穴』45
フランツ・カフカの短編小説『巣穴』を翻訳していくtheLetterの第45回です。
頭木弘樹
2026.07.29
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●翻訳のつづきです
もし信頼できる誰かがいて、わたしの代わりに同じ場所から見張っていてもらえるなら、わたしもきっと安心して降りていけるだろう。あらかじめ打ち合わせておいて、わたしが降りていくとき、さらにその後も長時間にわたって、あたりの様子をじっくり観察してもらい、もし何か危険な兆候があったら苔の覆いを叩いて知らせてもらう、そうでなければ決して叩かないようにしてもらうのだ。そうすれば、わたしの頭上にのしかかる懸念はきれいさっぱり取り除かれ、残るのはその信頼できる相手だけだ。