カフカ『巣穴』48
フランツ・カフカの短編小説『巣穴』を翻訳していくtheLetterの第48回です。
頭木弘樹
2026.08.13
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また数日ぶりになってしまい申し訳ありません。
●翻訳のつづきです
そして、信頼という点ではどうだろう? お互いの顔が見えているときには信頼できても、顔が見えなくなり、苔の覆いが両者を隔【へだ】てているときでも、同じように信頼できるだろうか? お互いの姿を確認できるときには、少なくとも確認しようと思えばできるときには、信頼するのは比較的簡単だ。遠く離れていても、おそらく信頼することはできるだろう。しかし、穴の内側から、つまり別の世界から、外にいる相手を完全に信頼することなど、不可能だとわたしは思う。