カフカ『巣穴』22

フランツ・カフカの短編小説『巣穴』を翻訳していくtheLetterの第22回です。
頭木弘樹 2026.06.23
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●翻訳のつづきです

 そういうわけで、巣穴の外に出るときには、この迷路の苦痛を、肉体的にも乗り越えなければならない。腹立たしくもあれば感動的でもあるのは、ときおりわたし自身が、一瞬とはいえ、自分のつくったこの仕掛けの中で迷ってしまうことだ。まるで迷路が今でもわたしに自分の存在価値を示そうとしているかのようだ。わたしの評価はとっくに決まっているというのに。

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