カフカ『巣穴』25
フランツ・カフカの短編小説『巣穴』を翻訳していくtheLetterの第25回です。
頭木弘樹
2026.06.27
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●翻訳のつづきです
しかし、外に出たからといって、本当に巣穴から解き放たれたわけではない。たしかに、もう身を縮めて通路を通る必要はないし、広々とした森で獲物を追っていると、身内に新しい力がわいてくるのを感じる。それはたとえ中央広場でも、いやその十倍の大きさの広場であったとしても、巣穴の中ではわいてこない力だ。食べ物も外のほうが上質だ。狩りは難しく、成功することはまれだが、得られるものはあらゆる点でまさっている。