カフカ『巣穴』36

フランツ・カフカの短編小説『巣穴』を翻訳していくtheLetterの第36回です。
頭木弘樹 2026.07.10
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●翻訳のつづきです

 とりあえず試しに、嵐の夜に何度か、巣穴の中に素早く獲物を投げ入れてみた。何事も起きないようだ。本当に何事も起きなかったのかは、わたし自身が巣穴に入ってみればはっきりする。しかし、はっきりさせるのは、わたしではないかもしれない。あるいは、わたしにもはっきりわかるかもしれないが、わかったときにはもう手遅れだろう。

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