カフカ『巣穴』18
フランツ・カフカの短編小説『巣穴』を翻訳していくtheLetterの第18回です。
頭木弘樹
2026.06.14
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●翻訳のつづきです
では、ここをつくり直すべきなのだろうか? わたしは決断をためらい、先延ばしにしている。おそらく、ずっとこのままということになるだろう。つくり直すにはひどく手間がかかるし、そのことを別にしても、ここでの作業は最高度に危険なのだ。巣穴をつくり始めたころなら、ここはわりとおちついて仕事のできる場所だった。他の場所に比べて、とくに危険が大きいということもなかった。しかし今では、ここでごそごそしていれば、巣穴があることをわざわざ教えるようなものだ。だから、もうつくり直すことはできないのだ。